米国知財便り
USPTO、特許出願公開システムの近代化で重要な節目を達成 — 従来の課題を解消する「3Pイニシアティブ」が本格稼働へ
2025.12.06
米国特許商標庁(USPTO)によると、特許出願のプレグラント公開処理を初めて庁内で実施し、複数年にわたって進めてきた「特許公開プログラム(3Pイニシアティブ)」の近代化プロジェクトにおいて、大きなマイルストーンを達成したとのことです。
特許出願の公開は、最初の出願日から18か月後に行うことが法律で義務づけられており、出願状況の透明性確保や先行技術調査の促進、技術情報へのアクセス向上など、イノベーションを支える重要な役割を果たしています。
【従来の課題:老朽化システムと外部依存】
これまでのUSPTOの公開処理における構造的な課題。
・外部委託に依存していたため、外部障害の影響を受けやすい
・旧式インフラにより単一障害点(Single Point of Failure)が存在
・データ品質や処理精度にバラつきが発生
・委託コストが継続的に発生
【3Pイニシアティブによる改革】
こうした課題を解消するため、3Pイニシアティブでは、公開処理をUSPTO自身が管理する新システムへ移行し、インフラ・ツール・手続の全面的な刷新を推進。特にDOCX出願の活用拡大により、公開データの正確性や一貫性が高まり、記録品質の向上につながっている。
主な改善点:
・単一障害点の排除によるシステム強化
・データ管理・処理品質の向上
・外部依存と関連コストの削減
・特許データのセキュリティと完全性の向上
【今後に向けて】
今回の節目は、新しい公開体制が順調に稼働し始めたことを示す重要なサインです。USPTOは今後もシステムの高度化を加速し、内部能力をさらに拡大することで、世界中の利用者に対し信頼性の高い特許データを提供していく方針とのことです。