ブログ
コールドムーン
2025.12.06
今週は箱根・強羅の温泉でゆったり骨休めし、東京へ戻ってきた途端、見事な満月が迎えてくれました。
農事暦(The Old Farmer’s Almanac)によると、アメリカでは12月の満月を『コールドムーン(寒月)』と呼ぶそうです。寒い季節に澄み切った月を眺めると、気持ちまですっきりとリフレッシュします。
ところで月といえば、地球に最も近い天体(星ではなく衛星)。最短距離は約36万3千 kmです。フラットアース派の方々は別の見解をお持ちのようですが、ここでは深入りしないことにします。
月の誕生については諸説ありますが、巨大な天体が地球に衝突し、飛び散ったマントルが固まって月になったとする「ジャイアント・インパクト説」が有力のようです。月の誕生は地球とほぼ同時期の約45億年前。想像すると気が遠くなります。
潮の満ち引きをはじめ、月の影響は実に大きく、「もし月がなかったら生命は誕生しなかったかもしれない」とまで言われています。
いずれにしても、地球に最も近い天体であるにもかかわらず、月については依然として解明されていない点が多く残されています。
古来から月は神話にもたびたび登場。また、『竹取物語』や『かぐや姫』、『山月記』、『月と六ペンス』、さらには狼男など、いつの時代も物語の主役級。食べ物でも月見団子、月見そば、月見バーガー(?)など、月の人気は衰えを知りません。
音楽の世界でも『荒城の月』から『月の砂漠』『ムーン・リバー』『Mr. Moonlight』、さらにはマイケル・ジャクソンの“ムーンウォーク”まで、とにかく月は引っ張りだこ。どうやら人類は月を見ると創作意欲が刺激されるようです。
以前、臓器の「肝」「胆」「肺」「腸」などに“月”が付くのは、月との関連があるからだと勝手にロマンを感じていました。しかし実は、あれは月ではなく「肉偏」。字形の簡略化の過程で⺼(にくづき)が月に似た形となり、現在では見た目がほとんど同じになっただけのことだそうです。少々肩透かしではありますが、どこか愛らしい勘違いでもあります。
1969年のアポロ11号については、「実はハリウッドのスタジオで撮影された」という陰謀論もありますが、こちらは都市伝説として楽しむ程度にしておきましょう。
ところで、日本語には月を用いた比喩も少なくありません。たとえば、二つのものが著しく異なることを「月とスッポン」と言います。いずれも丸いという点では共通しているものの、実際には比較すること自体が無意味─という例えですが、そもそもなぜ天体としての「月」が引き合いに出されるのかは定かではありません。このあたりにも、古来より月が特別視されてきた痕跡がうかがえて興味深いところです。
それにしても、人はどうしてこうも月に惹かれるのでしょう。私もANAのライフタイムマイレージだけで計算してみたところ、アメリカンロイヤー人生で、月まで少なくとも3往復はしているらしく、航空会社にはずいぶん貢献したようです。地球からは離れませんが……。