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冬の大三角形の上に輝く星 ― カペラの意外な正体
2026.03.08
冬の夜空には、よく知られた「冬の大三角形」があります。
その三角形の少し上に、もう一つ明るい星が輝いているのに気づく方も多いでしょう。ぎょしゃ座の一等星、カペラです。都会の空でもよく目立つため、冬の星空の中ではなかなか存在感のある星です。
このカペラについて少し調べてみると、思わず「えっ?」と言いたくなる事実があります。
カペラは、実は一つの星ではないのです。

肉眼で観れば、もちろんただの一つの星にしか見えません。双眼鏡で観ても同じです。しかし天文学的な観測によると、カペラの中心には太陽よりずっと大きな二つの黄色巨星があり、互いの重力に引き合いながら、およそ百日の周期でぐるぐると回り続けているそうです。
さらに興味深いことに、その少し離れた場所には小さな赤色矮星のペアもあり、カペラは全体として四つの星からなる「四重星系」であることが分かっています。
つまり、私たちが冬の夜空で見ているあの一つの明るい光は、実際には複数の星の光が重なって届いているものなのです。
そしてもう一つ面白いことがあります。冬の大三角形を形作る星のうち、シリウスとプロキオンもまた連星として知られています。冬の夜空でひときわ明るく見える星の多くが、実は一つではなく、星のペアや家族なのです。
夜空の星は静かに輝いているように見えます。しかしその小さな光の中では、巨大な星同士が重力に引き合いながら、壮大な宇宙ダンスを続けています。
今度冬の夜、冬の大三角形の少し上にカペラを見つけたら、想像してみてください。
あの一つの光の中に、実は複数の星が隠れていることを。
そう思うと、いつもの星空が、少し違って見えてくるかもしれません。