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岸本外国法事務弁護士事務所

米国知財便り

CAFCのNewman判事、職務停止を巡り米最高裁へ上告

2026.03.15

米連邦巡回控訴裁判所(Federal Circuit)のPauline Newman判事(98歳)は2026年3月12日、自身に対する職務停止措置を巡り、米国最高裁に上告(certiorari petition)しました。

 

Newman判事は2023年、健康状態や認知能力に関する調査への協力を拒否したことなどを理由として、CAFCの司法評議会(Judicial Council)により、新規事件の審理への参加を停止されています。この措置は、連邦司法の懲戒制度(Judicial Conduct and Disability Act)に基づいて決定されたものです。

 

これに対しNewman判事は、この措置は実質的には連邦裁判官の解任に等しく、憲法が保障する終身在職(Article III)を侵害すると主張しています。米国憲法では、連邦裁判官は「罪過のない限り(during good behavior)」、原則として議会による弾劾以外の方法で解任することはできません。

 

仮に最高裁が本件の審理を受理した場合、主に次の憲法問題が検討される可能性があります。

・司法評議会が現職のArticle III判事の職務を停止する権限の範囲

・そのような職務停止が、憲法上許されない事実上の解任(constructive removal)に当たるか

・司法内部の懲戒制度と、連邦裁判官の終身在職保障との関係

 

CAFCは特許事件の専属控訴裁判所であることから、本件は裁判所の統治(judicial governance)に関わる問題として、知財実務家の間でも注目されています。