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岸本外国法事務弁護士事務所

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気づいたときには注文していた 🪄― “限定”の正体

2026.03.17

ランチで三越前の「富山はま作」を訪れ、いつものように『はま作わっぱ特別ご膳』を頼もうとしたそのとき、目に飛び込んできたのは――『期間・数量限定 牡蠣の炊き込みご飯・大粒のカキフライセット(税込2,980円)』。

ふと気づいたときには、迷うことなくそのセットを注文していました。

 

季節限定、期間限定、数量限定、地域限定、〇〇限定。

「限定」という魔法の言葉に、理屈では分かっていても心が動き、つい手を伸ばしてしまう。そんな経験に思い当たる方も多いのではないでしょうか。

 

冷静に考えてみると、これはよく設計されたテクニックです。

「限られたものほど欲しくなる」という人の心理――いわゆる「希少性の原理(principle of scarcity)」に基づくものです。人は、手に入りにくいものほど価値を高く感じる傾向があります。

 

この点について、米国を代表する社会心理学者ロバート・B・チャルディーニ博士は、著書『Influence: Science and Practice』(邦訳『影響力の武器(第3版)』)のなかで、希少性は人の行動を強く動かす心理的トリガーであり、マーケティングの現場で広く活用されていると指摘しています。

 

さらに同書では、「多くの人が行っている行動ほど、それが正しいと判断されやすい」という心理についても触れられています。いわゆる「社会的証明(social proof)」です。

 

例えば、街中で人だかりができていると、思わず足を止めてしまう。行列のできている店を見ると、理由もなく並びたくなる。

こうした行動の背後には、「多くの人が選んでいるのだから価値があるはずだ」という無意識の判断が働いています。

 

交渉力に長けた米国の弁護士やビジネスパーソンは、こうした社会心理学の知見をよく理解し、実務の場で巧みに活用しています。

 

米国の弁護士やビジネスパーソンと向き合う場面がある方にとっては、こうしたテクニックを知っておくことも、一つの備えになるかもしれません。