ブログ
私たちの中にある小さな宇宙シリーズ【第3回】夢というもう一つの宇宙
2026.04.03
夢の中に不思議な風景が現れることがあります。
見たこともないはずの都会のビル群や、山や海の広がる景色、どこか地方の隠れ宿、欧米にあるような建物。
現実には訪れたことがない場所のはずなのに、妙に懐かしく感じることがあります。
まるで昔そこで暮らしていたかのような気がして、もしかすると過去のどこかで本当に見た景色なのではないか──そんな想像がふと広がることもあります。
もちろん、それはただの夢なのでしょう。けれど、そうした思いに身を委ねるのもまた、夢の楽しみの一つです。
また、同じような風景や人物が、何度も夢に現れることがあります。
不思議な構造の街並みや、見覚えのある海辺の道。
高校生の頃だっか、どうしても解けない数学の問題が夢の中で解けたり・・・
まるで夢の中に、もう一つの世界や自分が静かに存在しているかのようです。
そして翌日の夜、ふとこんなことを思います。
昨日の夢の続きを、もう一度見ることはできないだろうか、と。
もっとも、その期待がかなうことはほとんどありません。
それでもつい期待してしまうのが、夢というものの不思議なところです。
こうした夢のことが気になり、少し調べてみることにしました。
すると、夢については脳科学の研究が進んでいるものの、まだ多くが解明されていないと知りました。
私たちは毎晩、眠りの中で夢を見ています。
人は一晩に何度も夢を見ているとされ、その多くは目覚めると同時に消えてしまいます。
夢は主に「レム睡眠」と呼ばれる浅い眠りの段階で生じます。
このとき、まぶたの下では眼球が素早く動く「急速眼球運動(REM)」が起きています。
脳は活発に働き、夢の中の映像に呼応するように目が動いているのです。
一方で、身体は筋肉の働きが抑えられ、夢の通りに動かないよう制御されています。
脳の中では、視覚や感情に関わる領域が活性化する一方、論理的思考を担う前頭前野の活動は弱まります。
そのため夢は、映像としては鮮やかでありながら、どこか現実離れした展開になるのだと言われています。
また夢の中の風景は、記憶の断片が組み合わされて生まれるものと考えられています。
過去に見た場所や写真、本や映像のイメージが混ざり合い、現実には存在しない「新しい場所」が形づくられます。
だからこそ、初めて見るはずの景色なのに、どこか懐かしく感じるのでしょう。
夢の役割については、記憶の整理や感情の処理など、さまざまな説が語られています。
しかし、いまだにすべてが明らかになっているわけではありません。
それでも、確かなことが一つあります。
私たちは眠りの中で、現実とは少し異なる、もう一つの世界を旅しているということです。
目覚めればその多くは消えてしまいますが、夢の中で見た景色や感覚は、ときに静かな余韻を残します。
夢というもう一つの宇宙は、私たちの内側で、今もひそやかに広がっているのかもしれません。
なかなか寝付けない夜や、夜中に目が覚めてしまったあと
目を閉じたまま眼球を静かにゆっくりと動かしていると、不思議と眠りに引き戻されることがあります。
それもまた、REM睡眠とどこかでつながっているのかもしれません。