米国知財便り
【米国知財リスクの基礎シリーズ】の終わりに
2026.05.08
全8回にわたり、米国特許訴訟という「戦場」のルールについて解説してきました。しかし、これらはあくまで制度の基礎に過ぎません。
30年にわたり米国のローファームでの訴訟最前線で私が目にしてきたのは、単に制度の知識だけでは太刀打ちできない「実戦」の過酷さです。たとえば、老練な米国弁護士が仕掛ける心理的な消耗戦、あるいは会社への責任感の強さやプレッシャーゆえに当日になって証言を拒んでしまう日本人証人の苦悩など、教科書には載らない泥臭い人間ドラマが勝敗を左右する場面や修羅場に何度も立ち会ってきました。
現在、私は訴訟チームという立場を離れ、よりクライアントの皆様に近い視点から、「そもそも訴訟を起こさせないための防衛戦略(攻めの防衛)」や、開発段階からのFTO調査に基づくリスク低減に重きを置いて活動しております。
米国知財リスクは、火がついてから消し止めるよりも、火種をいかにコントロールするかが経営上の要諦です。
たとえば
・製品を市場に出す前の「開発初期段階」からのFTO調査と、故意侵害リスクを封じ込める「鑑定」の活用
・「なぜ自社が狙われたのか」を知るパテント・トロールの思考解析
・「午後3時の罠」を突破し、証人を自爆させないデポジション対策
・ITC(輸入禁止措置)という、地裁とは異なる「もう一つの戦場」への対策
といった、より実戦的な備えについて、あるいは現在直面されている具体的な疑問がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせフォームよりご連絡いただければ幸いです。
米国という特殊な土俵において、皆様が本来のビジネスに専念できる「盾」となれれば幸いです。