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「えっ❗禁煙スペースなのに灰皿が⁉️」
2026.01.14
今から20年以上前、コロラド州デンバーにある自然史博物館(現・デンバー自然科学博物館)を訪れたときのことです。
最上階から一望できるロッキー山脈の雄大な景色も見事でしたが、恐竜の化石展示も負けず劣らずの迫力でした。
その博物館の入口には、これでもかというほど大きく「🚭 No Smoking!」の標識が掲げられていました。
「なるほど、厳しいですね」と一人で納得しながら館内に足を踏み入れたその直後 ― 私は思わず二度見しました。
灰皿が、ある。
しかも一つや二つではなく、あちこちに、堂々と。
「え? 見間違い? それともこれは恐竜時代の遺物?」
頭の中で小さな混乱が起きます。
「たとえ罰金を払ってでも吸いたい人のため?」
いくら自由を尊ぶアメリカとはいえ、博物館でそれはさすがにやりすぎでは……と、内心ツッコミが止まりません。
耐えきれず館員に尋ねてみると、返ってきた答えは想像の斜め上でした。
「標識に気づかずに館内に入り、誤ってたばこに火をつけてしまった人のためです」
なるほど。
吸う人を止める前提ではなく、「もう吸ってしまった人」を想定しているわけです。
予防ではなく事後対応。しかも徹底的に現実主義。
日本ではまず考えられない発想ですが、不思議と納得感があります。
「指示が一貫していないのはおかしい」と眉をひそめていた私は、どうやらルールを守る前に、ルールを信じすぎていたようです。
「お国が違えば、文化も違う。法の考え方も、ずいぶん違う。」
そんなことを、恐竜の化石に囲まれながら学ぶことになるとは、思ってもみませんでした。
そして今でも思います。
この博物館で一番“印象的”だった展示物は、恐竜ではなく、あの“灰皿”だったのかもしれません。