
米国知財便り
米国特許商標庁(USPTO)、優先審査の年間受理件数の上限を2万件に引き上げると発表
2025.07.09
2011年に施行された米国発明法(AIA)により特許出願の優先審査(prioritized examination)、いわゆる「Track Iプログラム」が導入されました。
このプログラムでは当初、「新たな上限を定める規則が制定されるまでの間、USPTOは1会計年度(10月1日~翌年9月30日)あたり優先審査申請を1万件以上受理してはならない」と規定されていました。しかしながら、申請件数の増加に伴い、受理件数の上限が2019年に12,000件、2021年に15,000件へと段階的に引き上げられました。
そしてUSPTOは7月8日、この優先審査の利用枠をさらに拡大し、年間受理件数の上限を2万件に引き上げると発表しました。
なお、この変更は迅速な実施を優先するため、パブリックコメントなしで行われます。一般審査への影響は軽微であり、他の審査優先パイロットプログラム(半導体技術やがん治療技術向けのものなど)は終了予定です。
また、2006年に導入された「迅速審査制度(Accelerated Examination)」は、利用が減少しており、既に通常の特許出願についての廃止が決定しています。