
米国知財便り
米連邦控訴裁判所の98歳判事、職務停止訴訟の再開認められず
2025.08.24
コロンビア特別区巡回控訴裁判所は8月22日、CAFCのポーリン・ニューマン判事(98)が自身の職務停止を不服として起こした訴訟の再開を求めた申し立てを退けました。
DC巡回控訴裁判所の3人の判事は、職務停止を定める法律が違憲だとするニューマン判事の主張を否認しました。ニューマン判事は1984年から同裁判所で審理に携わっており、シニア・ステータス(半退職制度)を取っていない現職の連邦判事としては最高齢となっています。
ニューマン判事は、医療検査を拒否したことを理由に2023年以降の審理から外されており、これが憲法違反に当たると主張してきました。しかしDC巡回控訴裁判所は、個別事案での適用違憲論(as-applied challenge)は2001年のMcBryde判決により封じられているとし、彼女が唯一主張できる「法律自体が違憲」という論点も退けました。
他方、控訴裁判所はMcBryde判決の妥当性に重大な疑問があると指摘し、憲法上の懸念を認めました。これはニューマン側に再審請求を促すメッセージとも受け取れ、彼女が大法廷審理(en banc)や最高裁への上告を視野に入れる余地を生みました。
ワシントンDC 8月22日 ― Reuters