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岸本外国法事務弁護士事務所

米国知財便り

USPTO、「ASAP!」を延長 ― AIは審査の入口を変えるか

2026.04.17

人工知能検索自動化パイロットプログラム(ASAP!)については、2025年10月9日付の拙稿にて概要を紹介しましたが、今回、米国特許商標庁(USPTO)は同プログラムを2026年6月1日まで延長すると発表しました。プログラムの有効性を見極めるため、さらなるデータ収集を行うとしています。

 

ASAP!は、出願人によるAI検索結果の提出を求めるものではありません。USPTO内部のAIシステムにより、実体審査に先立ち先行技術検索が自動的に実行され、その結果が審査官に提供される仕組みと理解されます。これにより、審査の効率や品質への影響を検証することが本プログラムの狙いです。

 

対象は実用特許出願であり、各技術センター(Technology Centers:TC)ごとに少なくとも400件、全体で3,200件以上の出願を受け入れる計画とされています。参加申請は、2026年6月1日、または各TCで400件に達した時点のいずれか早い時点まで受け付けられます。

 

また、本プログラムへの参加に必要なペティションについては、通常課される手数料(37 CFR 1.17(f))が免除されています(2026年3月23日以降提出分)。もっとも、所定フォーム(PTO/SB/470)は出願日当日に電子提出が必要であり、手続面での要件には留意が必要です。

 

実務上の関心は、AIが審査の「入口」にどの程度影響を及ぼすかにあります。
初回Office Actionにおける引用文献の網羅性や選択の傾向、さらには審査の立ち上がりの速さに変化が生じるのか。これらは、出願戦略や応答方針にも間接的に影響し得るポイントです。

 

AIはまだ結論を出す存在ではありませんが、問いの立て方を変え始めています。
審査の最初の一手が変わるとき、実務もまた、静かに形を変えていきます。

 

ASAP!の詳細については以下をご参照ください。

Artificial Intelligence Search Automated Pilot Program | USPTO